こんにちは。株式会社TechXで広報を担当しております中川瑞穂です。今回は仕事の話を少しだけ横に置いて、9月11日に行ってきた桑田佳祐さんのライブのことを書かせてください。
長年のファンが、ようやくたどり着いた一夜
桑田佳祐さんのファンになってから、もう何年になるでしょうか。サザンオールスターズとソロを行ったり来たりしながら、節目節目でいつも耳元に桑田さんの声がありました。うれしいときも、うまくいかないときも、変わらず同じ調子で鳴っていてくれる声です。
だからこそ「夏祭りツアー2026」の開催が発表されたときは、ほとんど予定表より先に心が押さえられてしまいました。行き先は宮城セキスイハイムスーパーアリーナ。横浜からは決して近くありませんが、迷う理由はひとつもありませんでした。

会場に着く前から、もうお祭りははじまっていた
駅を降りて会場に向かう道すがら、すでに空気が違います。のぼり旗がずらりと並び、提灯が揺れ、Tシャツやタオルを身につけた人たちが同じ方向へ歩いていく。世代も、来た場所も、たぶん普段の暮らしもばらばらな人たちが、この日だけ同じ祭りの参加者になっている。その景色だけで、来てよかったと思ってしまいました。


空にはうろこ雲が広がって、夕方の光がゆっくり傾いていくところ。開演前のあの、そわそわして落ち着かない時間が、私はずいぶん前から好きです。
70歳の人が、今日もステージに立っている
ライブそのものの話は、これから行かれる方のためにあまり細かくは書きません。ただひとつだけ、どうしても書いておきたいことがあります。
桑田佳祐さんは、今年70歳です。それでもステージに立ち、歌い、跳ね、客席をひとつにして、最後まで走り切ってしまう。声は出ているどころか、ちゃんと「今の声」で鳴っている。あの場に立ち続けるために、私たちの見ていないところでどれだけの準備と節制と鍛錬が積み上げられているのか——想像しようとして、途中で言葉がなくなりました。
すごいのは「70歳なのに元気」ということではないのだと思います。やめない理由をずっと更新し続けているということ。同じことを繰り返しているのではなく、今のからだ、今の声、今のお客さんに合わせて、毎回つくり直している。だから何十年経っても、懐かしいだけの場所にならない。
客席には、明らかに私より上の世代も、たぶん高校生くらいの子もいました。その全員が同じ歌で同じ方向を向いている。長く続けるというのは、こういう景色をつくることなんだな、と思いながら手を振っていました。
続けることの凄みを、仕事に持ち帰る
帰りの余韻のなかでずっと考えていたのは、結局は自分たちの仕事のことでした。
TechXが向き合っているAIの領域は、半年前の正解が半年後には古くなるような世界です。新しいものを追いかけることには、正直、慣れました。けれど本当に難しいのは、変わり続けながら、同じ場所に立ち続けることのほうだと思います。お客様の前に出て、期待に応え、次もまた来てもらう。それを何年も、何十年も。
70歳でステージに立ち続けている人の姿は、その難しさをまるごと引き受けたうえでの「まだやるよ」という返事に見えました。私も、自分の持ち場でそう言えるようにしたいです。
桑田さん、素晴らしい夜をありがとうございました。次のステージも、必ず観に行きます。
公演情報:桑田佳祐「夏祭りツアー2026」宮城セキスイハイムスーパーアリーナ公演(2026年9月9日・11日・12日)。写真はいずれも会場周辺で筆者が撮影したものです。

