「DXを進めたいが、任せられる人がいない」という悩み
「DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組みたいが、社内に詳しい人がいない」——。廃棄物処理業・不動産業・建設業など、いわゆるレガシー業界の経営者・管理職の方から、こうした声を多くいただきます。
DXとは、デジタル技術を使って業務のやり方やビジネスの仕組みそのものを変革することです。しかし、どれほど優れたITツールを導入しても、それを使いこなす「人」がいなければ成果は出ません。本記事では、DX人材育成の基本について、ITに詳しくない方にもわかりやすく解説します。
なぜ今「DX人材育成」が注目されるのか
深刻化するDX人材の不足
IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の「DX白書2023」によれば、DXを推進する人材が「大幅に不足している」「やや不足している」と回答した日本企業は約8割超にのぼります。特に中小企業ほど人材不足が深刻で、外部に頼るだけでは限界があるのが実情です。
国も企業の人材育成を後押し
経済産業省は「デジタルガバナンス・コード」の中で、経営者自身がDXの方向性を示し、社内の人材を育てる体制づくりの重要性を提言しています。補助金や研修支援制度も拡充されており、中小企業にとっても人材育成に取り組みやすい環境が整いつつあります。
DX人材育成の具体的な活用事例と効果
事例1:建設業の現場監督がIT推進役に
ある中堅建設会社では、現場経験の豊富な監督職にクラウド型の工程管理ツールの研修を実施しました。ITの専門家ではなく「業務を知っている人」を育成したことで、現場の課題に即したデジタル活用が進み、書類作成の工数が約3割削減されたといいます。
事例2:廃棄物処理業での段階的な育成
廃棄物処理業の企業では、まず管理部門の担当者にペーパーレス化の基礎研修を行い、その後タブレットを使った現場報告の仕組みを構築しました。「まず身近な業務から」というスモールスタートが、社内全体のデジタル意識向上につながった好例です。
導入時の注意点・よくある失敗
失敗1:いきなり高度なスキルを求める
「プログラミングを学ばせよう」と最初からハードルを上げると、現場の抵抗感が強まり挫折しがちです。DX人材育成の基本は、まずITツールを「使える」レベルから始めることです。ExcelやGoogleフォームといった身近なツールの活用から段階的に進めましょう。
失敗2:研修だけで終わってしまう
座学の研修を受けただけでは、実務に活かされないケースが多くあります。学んだ内容をすぐに日常業務で試せる環境を用意することが重要です。「研修→実践→振り返り」のサイクルを回す仕組みをセットで考えましょう。
失敗3:経営層が関与しない
担当者任せにしてしまうと、社内の協力が得られず孤立してしまいます。経営者・管理職が育成方針を明確に示し、全社的な取り組みとして位置づけることが成功の鍵です。
中小企業が始めるための5つのステップ
ステップ1:自社の課題を洗い出す
まずは「どの業務に困っているか」を整理します。紙の手続きが多い、情報共有に時間がかかるなど、身近な課題がDXの出発点になります。
ステップ2:推進役を決める
ITに詳しい人である必要はありません。業務をよく知り、周囲を巻き込める人を「DX推進役」に任命しましょう。
ステップ3:小さく学び、小さく試す
無料のオンライン講座や自治体・商工会議所の研修を活用し、まず1つの業務をデジタル化してみます。経済産業省の「マナビDX」など、無料で学べる公的な学習プラットフォームも用意されています。
ステップ4:成功体験を共有する
小さな成功でも社内で共有することで、他の社員の関心と意欲を引き出せます。「あの業務がこんなに楽になった」という実感が、全社的な変革の原動力になります。
ステップ5:外部パートナーを活用する
自社だけで進めるのが難しい場合は、DX支援に強い外部パートナーの力を借りるのも有効な選択肢です。特にレガシー業界の業務を理解したパートナーであれば、現場に即した支援が受けられます。
まとめ:DX人材育成は「特別なこと」ではない
DX人材育成の基本は、高度なIT技術を学ぶことではなく、「自社の課題をデジタルで解決できる人」を社内に増やすことです。まずは身近な業務のデジタル化から始め、小さな成功を積み重ねていくことが、確実なDX推進への近道です。
TechXでは、廃棄物処理業・不動産業・建設業などレガシー業界に特化したDX支援を行っています。「何から始めればいいかわからない」という段階からお気軽にご相談ください。

